福山市上下水道局 技術研修センターで
チューブテックスR工法のデモ施工を実施


2023年11月15日、広島県の東部を流れる芦田川のほとりにある福山市上下水道局水道技術研修センターでチューブテックスR工法(自立強度型更生工法)のデモ施工を実施いたしました。
途中に伏せ越しがある400mmの管路を研修センター構内に設置し、反転工法によるチューブテックスR工法施工の一部始終をご覧いただきました。

また、その施工の後半にありますエポキシ樹脂の熱硬化を待つ間、 同センターのミーティングルームで当協会の栗山会長からご挨拶と、チューブテックスR工法の詳細をご説明させていただき、 実演をご覧になった皆様から忌憚のないご意見ご質問を頂戴いたしましたのでその一部をご紹介させていただきます。
圧力管更生工法協会 栗山会長よりのご挨拶
上下水道管路の老朽化が進み、更新すべき管路が年々増えています。
中でも水道管路は自立管、つまり本当に圧力に耐える管を敷設しなければなりません。
本日、ご覧いただきましたチューブテックスR工法はそのようなご要望にお応えする
更生工法であると確信しておりますので、この機会に疑問点など忌憚のないお話を賜り、
チューブテックスR工法へのご理解を深めていただければ幸いです。
栗山 卓
九州大学 水素材料先端科学研究センター
高分子材料研究部門 特任教授 工学博士

デモ施工をご覧になられた皆様よりのご質問と、協会よりのご回答
■ご質問
以前から反転工法を採用して老朽管路の更生と取り組んでいますが、本日見せていただいたところでは、
その工法とチューブテックスR工法の違いがわかりません。違いがあるのなら教えてください。
■協会よりのご回答
ただ今、お話がありました工法とチューブテックスR工法は共にベルギーで開発されたものであり基本的な違いはないはずです。
ただ私どもでは欧州などで実績のある工法をそのままの姿でご提供しておりますので、
もし導入後に変更が加えられておりましたなら同じものとは言えないと思います。
また、反転工法の施工で問題が起きたケースもあると聞いておりますが、私どもでは作業にあたる方々にトレーニング制度を設け、
熟練度を高めることで安全確実な施工ができるよう努めておりますので、安心してチューブテックスR工法の導入をご検討いただき、
開削できないなどの理由で後回しになっている老朽管路の更新にお役立ていただきたいと存じます。
■ご質問
チューブテックスR工法の施工によってできた更生管の検査はどのように行われているのでしょうか。
■協会よりのご回答
品質管理につきましてはライナー材に含浸させる樹脂量の管理を徹底して行っています。
また熱硬化型の工法全般に言えることですが、現場管理が充分に行われていないと問題が生じる可能性がありますので、
施工した管路の発進側と到達側、その両端をサンプルとして切り出し、品質に問題がないことを確認しています。
■栗山会長の補足
現場工法の成否を決めるのは作業者の熟練とコミュニケーション。蒸気加熱をみても管路の両端では圧力と温度に違いがあります。
その状態を両端の作業者が確認しあって進めることが大切です。
■ご質問
今回のデモ施工の伏せ越しは横堀りですが縦堀りもできるのでしょうか。また90°はどうでしょうか。
■協会よりのご回答
ご指摘のとおり、デモ管路設置の関係で横堀りになっていますが縦堀りでも施工できます。
またチューブテックスR工法の先端部が入っていけるところなら80°くらいでも施工できるのですが、
90°となると管の内面がシワだらけになって、一般的な話、使えないと思います。それが90°の曲がりとなると、まず駄目です。
ただ、私どもで新たに開発中の工法がありまして、これなら水管橋のように荷重がかからない場所を1kmくらいのスパン、
90°の曲がりがある管路でも施工できる。この新工法が審査を通るまでには、まだまだ日にちがかかりますが、
自治体様とタッグを組んで新技術として取り組むことができれば、その日数を短縮し、
水管橋などの取り残された老朽管更新のお役に立てるのではと思っておりますので改めてご紹介の機会をいただければと思います。
■ご質問
400mmの管の施工可能距離が最大200mとのことですが、これは1日の施工距離ということでしょうか。
■協会よりのご回答
立て孔を掘った状態で反転工法を開始。その1回で到達できる距離です。
チューブテックスR工法の施工可能な距離は蒸気加熱の性能に制約されていますので、極端な話、3つの立て孔に3台の反転機と蒸気車。
それに3組の熟練したクルーを用意すれば1日で600mの距離を施工できるかもしれません。
■ご質問
HPPE管など耐震管に位置付けられたものと同じ耐震機能や性能があるのでしょうか。
■協会よりのご回答
ご覧いただきましたようにライナー材のガラス繊維に含浸したエポキシ樹脂を蒸気加熱して出来上がるのがチューブテックスR。
ガラス繊維強化プラスチック管と言っていいもので、既設管の状態にかかわらない強度を持ち、
耐震性についてもレベル1・2地震動の歪みに対して充分な余裕を持った設計になっています。
■ご質問
空気弁やバルブの取り付けはどうなっていますか。
■協会よりのご回答
私どもの会員であるコスモ工機さんで空気弁やバルブなど、管路に付属するものをご用意しております。
HPPE管の場合と同様にお考えいただければ良いと思います。





圧力管工法協会では、これからも社会問題となっている老朽管路への対策としてチューブテックスR工法をはじめ 「非開削」で新たな圧力管更生工法にて管路の再生に貢献してまいります。